生活綴方運動の旗手であり、児童文学者、教育評論家、教育運動家でもあった国分一太郎。その国分一太郎の生涯を 長い、長い叙事詩のように映し出していくこと。それが、このホームページの大きな役割の一つである。

第8回 国分一太郎「教育」と「文学」研究・学習会のご案内

第8回 国分一太郎「教育」と「文学」研究・学習会のご案内

「書く・読む・つながる」力を育てる

   ーベテラン教師から若い先生へのメッセージ―

1.日 時   2014年11月15日(土)  9時30分~4時30分(受付開始9時~)

2.場 所   豊島区立池袋本町小学校(旧豊島区立文成小学校)
  池袋駅乗り換え、東武東上線「下板橋」駅下車 北口から徒歩2分
  豊島区池袋本町4-36-1   

3.内 容 
午前<報告1>
❏ 2年生の作文指導
~一年間のできごとをふりかえって~
  富山 悦子(豊島作文の会)
 
午後<報告2>
❏ 「言葉」「文字」に注目して読もう
~言葉の意味よりも「言葉がそこに書いてある」ということに目を向けた読みを~
  今井 成司(東京作文教育協議会)

午後<報告3>
❏ 「綴り、読み合う学級づくり」
~「We'll change」を合い言葉に~
  藤田 美智子(福島県元公立中学校教員)

4.参加費 1,000円(資料代として登録会員は無料)会員の年会費2,000円

5.その他  ・ 研究会終了後、懇親会を予定しています。懇親会にご出席の方は、事前に電話等で、連絡下さると、大変助かります。遠来の方で、宿泊される方は、各自でお取り下さい。

今、教科書の中には、「綴方」という言葉はもちろんですが、「作文」という文字がなくなり、「ひとまとまりの文章」を書く機会が減り、「作文力」の低下が問題になっています。文学作品の「読み」についても課題となっています。
今回の3本の提案は、こうした課題を切り開くための、おおきな問題提起をしてくれるものと思っています。教育の実践のありかたを「考え」「深め」「交流」できる機会にしたいと思います。
知り合いの方をおさそいの上、ご参加ください。
なお会場は、校名が変わっていますが、昨年の場所と同じです。

              第8回国分一太郎「教育」と「文学」研究会・学習会
              国分一太郎「教育」と「文学」研究会会長・田中 定幸
              綴方理論研究会代表・乙部 武志



国分一太郎教育碑


《報告者から》

□富山 悦子(とみやま・えつこ)
○作文の書き方が分かる授業 ← 児童が「しくみ」を見つける授業
○1日1場面ずつをていねいに思い出して書く、記述時間の設定方法
 「先生、これでいいですか。」
 作文を書き終えた子のほとんどが、こう言って持ってきます。何か違うのではないかと、ずっと思ってきました。
 自分が書いたものの是非の判別ができないのは、どんな作文が良いのか、どう書けば良いのかが分からないからなのではないか。それなら、参考作品を使って作文の「しくみ」を理解させることができれば、あの言葉は出ないだろう。「一日一場面ずつ」と制限することにより、勢いで書くのではなく、「しくみ」を反映した記述が生まれ易くなるだろう。以上の仮説を基に組み立ててみた授業です。

□今井 成司(いまい せいじ)
文学作品をどう読んだらいいのだろうか。詩をどう読んだら楽しく読めるだろうか。
退職後に講師として、教室で実践したことをもとに、報告します。
5年生「耳」ジャン・コクトー。「ケムシ」まどみちお。「雪」三好達治。「鳴く虫」高橋元吉、を子どもの発言をもとに楽しく読む活動。
3年生「キリン」まどみちお。ここでは視点について実践をお話しします。
私としては従来の感想中心の「鑑賞」ではなくもっと「言葉の使われ方」「文字の使われ方」という表面的なところから読んではどうかという提案です。
「物語を書こう」。教科書でたくさん出ていますがこれがうまくいかないわけと、わたしの実践・提案をお話しします。
これらの実践のもとになったのは『現代思想』と言われているものです。私の実践とつなげてお話しできるかどうか、これは、わたしの力が及ばないところですが・・・。

□藤田 美智子(ふじた・みちこ)
 現職最後の2年間の取り組みを報告したいと思います。1年生の時に授業が成立しないほど荒れた学年を受け待ちました。新学期スタートに当たって、学級の子どもたちが決めた合い言葉が、
「We’ll change(俺たちは変わる!)」
でした。「変わりたい」という切実な願いが感じられました。
 学級では日記や班ノートの文章を、学級通信に載せて読み合いました。時に本音でぶつかり合い、話し合い、そして互いを理解し合う中で、子どもたちは「俺たちは変わった」ことを確認し合って卒業していきました。
彼らが綴った日記や作文、学級通信をもとに報告したいと思います。また、東京電力原子力発電所の事故により避難してきた子どもの作品も紹介し、今後の課題も提起できればと思っております。           


国分一太郎の文集(生活詩集)
「もんぺの弟」
が復刻されました。

もんぺの弟

国分一太郎が、昭和10年に、当時担任の長瀞小学校尋常科三年生60人の詩を綴った文集です。今回は、国分一太郎・こぶしの会(北の風出版)が復刻してくださいました。
頒価 300円(送料込み)でおわけします。下記の事務局へ申し込んで下さい。

復刻にあたって
国分一太郎資料収蔵室に2冊の「もんぺの弟」復刻版がある。1冊は平成3年4月20日発行「北の生活綴方」第9号(山形県児童文化研究会・山形県作文の会)、もう1冊は平成15年2月20日に発行された「山形のこども」第30集記念号(県教組教育文化部)である。
「もんぺの弟」は昭和10年に、当時担任の長瀞小学校尋常科3年生60人の詩を綴った文集である。復刻のいきさつについては資料として転載した「解説めいたつけたり」「文集解説」(どちらも土田茂範氏執筆)をお読みいただきたいが、この2つの解説文によると、戦後4回復刻されていることがうかがわれる。山形県内の教師にとってこの冊子がどんなに大切に扱われてきたか、そして国分一太郎がどれほど大きな影響をあたえてきたかを物語っているのではないだろうか。
そのうちの1冊が昭和37年に長瀞小学校を会場に開催された第11回日本作文教育研究大会時に復刻された。それから30年たった平成3年に発行されたのが「北の生活綴方」版である。この版は冒頭の「もんぺの子供」の詩と楽譜を国分の筆跡を忠実に似せた手書きになっている他はタイプ印刷である。それから12年後に出された「山形の子ども」版はA5判に縮小して復刻したものである。今回の版はこの版を使用させていただいた。
7月19日の第10回「教育」と「文学」研究会を目前にして突然復刻を思いついたのは、旧長瀞小学校の面影を残した長瀞公民館が会場になったこと、NHK仙台放送局が当時の文集を題材にした「昔・村の子は…」を上映すること、この文集を分科会で取り上げること、そしてもっとも心を動かされたのは、開催に対しての長瀞区長会、公民館をはじめとする長瀞地区の方々のあたたかい対応であった。
昭和5年、19歳で教師生活のスタートを切り、教職を追われるまでの8年間のすべてを過ごした長瀞小学校と長瀞地区は、国分が生涯をかけた教育と文学の根っこになっているはずである。そしてその根っこに水分と養分を与え続けたのは長瀞の子どもたちであり地域の人々であった。
国分一太郎・こぶしの会」は、国分一太郎の業績をどのようにして東根の文化に生かしていくかをテーマにささやかな活動を続けてきた。これまで詩に曲をつけ楽譜集をつくり、合唱や独唱として披露、作品の朗読、生誕百年には広く市内外からの浄財を募り、旧長瀞小学校跡地に教育碑を建立するなど、市民の芸術文化活動と結びつくことができた。今回の文集復刻もその一環と受けとめていただければ幸いである。             (平成26年7月19日 村田民雄)

国分一太郎「教育」と「文学」研究会事務局
    〒332-0023 埼玉県川口市飯塚1-12-53 榎本 豊方
                    ℡ FAX 048-256-1559 
         榎本 豊(携帯) 090-4920―7113



池袋本町小学校

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