『「私」の国分一太郎研究』は、国分一太郎の生きた時代とその思想の研究であると同時に、「私」自身の自己史でもある。

豊島作文の会 3月例会の報告と4月例会のご案内(2012年)

豊島作文の会 3月例会の報告と4月例会のご案内(2012年)

第467回 3月例会(3月10日)報告  

参加:片桐、工藤、伊藤、榎本(豊)、土屋、桐山、田中(横須賀作文の会)、富山、佐藤(板橋作文の会)、鈴木、榎本(典)

《提案》
 『街の公民館に児童詩の教室がある』
    ~第16回 詩のひろば を終えて~

 提案者 片桐 弘子 さん(日進公民館 講座 「詩のひろば」担当)



◆片桐さんからは、おおむね次のようなお話がありました。 

 日進町の公民館に小学生の講座「詩のひろば」が開設されたのは16年前のことでした。

 校五日制にともなって、土曜日の子どもの居場所づくりのために、公民館がいくつかの講座を開くことになり、地域協力員をしていた片桐さんにも、声がかかります。「どこかの教室のお手伝いでもします。」と話す片桐さんに、元校長先生の館長さんは、「いいえ、あなたが、何かやるのです!」館長さんの「何をやりますか?」という問いかけに、とっさに口から出たのが、「詩の教室です。」

 「心の中のことを表現するような講座は、めったにありません。詩の教室。いいですねえ。ぜひ、やりましょう!」という館長さんのひとことで、「詩のひろば」の開設が決まります。この時の館長さんは、もうお亡くなりになってしまったとのことですが、その時から「詩の広場」はずっと続き、今年は、16年目。それも、あと1回の「発表会」をやると、今年度は終了です。

 2年生から6年生まで、子どもたちは22名。スタート時、「詩ってなんだ」の詩を使って、詩とはどんなものかをつかませることから始めます。

   詩ってなんだ 

きれいだなあ       と思ったこと
いいなあ          と思ったこと
おもしろいなあ      と思ったこと
おやっ、ふしぎだなあ  と思ったこと
すごいなあ        と思ったこと
こわいなあ        と思ったこと
いやだなあ        と思ったこと
きたないなあ       と思ったこと
ざんねんだなあ     と思ったこと
ちくしょう!         と思ったこと
くるしいなあ        と思ったこと

みんな詩になるんだよ。
詩って泣いたり笑ったりするんだ。
詩ってきみの心が写っているんだ。
詩って人間みたいなんだ。
詩って短いことばなんだよ。



 指導面で一貫してやってきたことは、参考作品を読むこと。昔は、『東京の子』などから、作品を探してきて読んでいましたが、「詩のひろば」を16年間続けてきて、今年で詩集の数は16冊。自分たちの先輩の書いた作品(中には、自分のお兄ちゃん、お姉ちゃんの作品ということも)を参考作品として読むことができるようになってきました。「まねしていい」という立場でやっています。「こういうふうに書けばいいんだな。」「こういう題材を見つければいいんだな。」というふうにして、どんどんまねしていっていいと思っています。

 「詩のひろば」の活動は、
・(前半)説明を聞いたり、詩を読んで、話しあいをします。(9:30~10:30)

・10分休憩…これのために来ていると思われるほど、子どもたちは楽しみにしています。

・(後半)詩を書き、私から個別指導を受けます。(10:40~11:30)

 後半で、詩を書いたら、すぐに持ってきてもらい、即読み、即感想を言い、評価し、分からないところなど、「ここよく分からないんだけど」と、その場で言って、言いたいことがしっかり書けているかどうかを考えさせ、書き加えさせたり、いらないところを削らせたりというふうにしています。

 具体的に事実を書くというのができない、しっかり思い出せていないという傾向があり、作品を通して、一人ひとりに語らせながら、その時に立ち返らせ、思い出させながら、あいまいさを正していっています。

 そんなふうにしてできあがった子どもたちの作品は、次の回の時までに印刷(7~8ページくらいになる)しておき、前半の時間に、みんなで読みあい、いいところ、悪いところなどおしゃべりしあっていきます。毎回、そういう繰り返しで、学びあっています。

 来年度は、公民館の予算が減らされて、年間8回でやっていくことになりました。学校の土曜日復活のきざしなどもあり、再来年など、どのようになっていくでしょうか。
 
 来週の土曜日(17日)が「詩のひろば・発表会」。子どもたちも、私も、とても楽しみにしています。終了証をもらったあとなど、いつも6年生全員が、終わりの言葉を言うのですが、「わたしが、このひろばに来た時の一番に書いた詩を読みます。」と言って読み出したり、一年間で詩を何十回書けましたとか言ったりするのを聞いたりすると、「詩のひろば」、続けてきてよかったな、と感じます。


◆感想・話し合いから
◎楽しい話がいっぱいあったのですが、話し合いの中で取り上げられた作品二つに関してのみ紹介します。

☆「ことばあそび歌」のようなリズミカルな詩が大好きで、3年生の頃から、そのような作品をいっぱい書き続けてきた男の子(今年度、4年生になってから、『詩のひろば』に参加を始めた男の子です)がいます。
 
 次のような詩をいっぱい書いてきているのだそうです。

      『カレーのうた』

    からすぎ からすぎ
    かれーはからい 
    みずくれ みずくれ
    からすぎる 
    「おかわり!」


       『おふろのおどり』

     ゆずのおふろが おどってる
     バケツといっしょに おどってる
     おゆも いっしょで ルンルンルン
     ぼくも いっしょに おどりだす
     シャンシャカ シャンシャン
     おふろのおどり 


       『かくれんぼ』   
       
     「もういいかい?」
     「もういいよ!」         
     かくれて かくれて        
     かくれんぼ               

     じてんしゃになってかくれたよ
     「みーつけた!」
     みつけて みつけて
     かくれんぼ   


       『おきょう』

     カーミーオーウーシージーミーオウジャー
     モーコウカー
     センセークルマーハーカイシャー
     オオクラハツノリオーワーリー



☆この男の子が、今年度、片桐さんから「詩のひろば」で、指導を受け、書き続けてくる中、3学期になって書いたのが次の詩。

 何か、大きな変化がある(あった、あったのではないか、いや、これから、どんどん変わっていくのではないか)等々、本当に、かなり長い時間、話し合いが続いたのです。  

  『かまめしはねていた』

 「すみません。              
  かまめし一つください。」         
 ぼくは言った。              
 「はい!                 
  ただいまおとりします。」
 店員さんが、かまめしを一つ
 ふとんから出した。
 「なんでふとんから出すのですか?」
 「じつは、かまめしはいつでも
  温かくするために、ふとんで温めて
  いるんですよ。」
 「へー、そうなんですか。」   
 そこで食べたかまめしは
 ほかほかでとてもおいしかった。
 



☆ もう、一点。
 「個人情報」ということに関連して、「載せられない」「載せていい」等、あれやこれやと紆余曲折がありましたが、2年生の石塚遙己君の『ゆもみ体けん』(「詩のひろば」第16集では、4ページに載っている作品)が、『心いっぱい子ども詩集 ③ なんだか心が軽くなる』(日本作文の会・編・汐文社)に、所収されました。

 石塚遙己君とご両親も大喜びですが、こういう作品がうまれてくる「詩のひろば」も、すごいですよね。

  『ゆもみ体けん』
             二年 石塚 遙己 
 
「草つ よいとこ 一どはおいで
  どっこいしょ…」
 と、うたがきこえてきた。
 のぞいてみると、
 あつそうなおんせんがあった。
 きものをきたおばさんたちが
 ながいいたを手にして
 おゆをまぜていた。
 カタカタ トントン いたの音。
 ザボンボッチャン  おゆの音。
 こうやっておゆのおんどをさげるんだって。
 ゆもみというんだって。
 ぼくもゆもみにちょうせん。
 うたにあわせてながいいたを左に右に。
 これがけっこうむずかしい。
 でも、たのしかった。
 もう一どやりたいな、ゆもみ体けん。
 ちょいなちょいな。

                                             ( 文責 : 工藤 )

豊島作文の会 4月例会(第468回)のご案内

  
時  2012年 4月28日(土) 午後2時~5時
*14日(土)の予定でしたが、28日(土)に変更です。

所  豊島区立池袋第二小学校 4年 1組 教室(3階)

*伊藤 早苗さんが、退職をされ、4月より、池袋第二小学校で、非常勤教員として働かれることになったのですが、伊藤さんのご尽力により、池袋第二小学校の校長先生から許可をいただき、池二小で豊島作文の会を開くことができるようになりました。

東武東上線の池袋駅から一つ目、北池袋下車。徒歩2分です。
下の地図をご参照ください。

《提案》
(1)昨年度の年間計画内容のまとめ(工藤 哲)

(2)昨年度の成果と反省(片桐 弘子さん)

(3)新年度の方針・計画を立てる(榎本 豊さん)

(4)会計報告(榎本 典子さん)

(5)新年度の名簿(鈴木 由紀さん)



より大きな地図で 池袋第二小学校への行き方 を表示


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