『「私」の国分一太郎研究』は、国分一太郎の生きた時代とその思想の研究であると同時に、「私」自身の自己史でもある。

豊島作文の会 12月例会のご案内

豊島作文の会 12月例会(第543回)のご案内

と き  2010年 12月4日(土) 午後2時~5時

ところ  豊島区立池袋小学校 5年1組教室


豊島区立池袋小学校
       池袋西口(東武デパート側)より徒歩10分 
       豊島区池袋4-23-8 

《提案》
2010年版 東京の子(第36集)を読む

1年担当 土屋

2年担当 榎本(典)

3年担当 片桐

4年担当 鈴木

5年担当 伊藤

6年担当 工藤

東京の子 第36集を読むー6年生の散文と詩―

Ⅰ. 6年生の散文と詩 
◎散文
『残りの時間で』(P8~9)
(1)選んだ方には悪いのだが、「共同研究」として取り上げるような作品ではない。
①友だちが引っ越していくことを悲しがっているわりには、引っ越し当日まで何もしないで、いよいよ引っ越しという時になって、「あたふた」(P8上段.L18)して、引っ越し当日に「遊ぶ約束」をしている。
 その日、遊んだこと、駅まで見送ったことなどが書かれており、
「もう引っ越してしまうんだということが現実につきつけられ、叫びそうになってしまった。」(P8下段L13)とか、
「とにかく悲しかった。時間がなくて何もできなかった自分にすごく後悔した。」(P9L17)と、感傷的なことばを羅列している。
②説明不足、または意味不明なところがいくつもある。
(P8上段L3~4)(P8上段L9~13)(P8上段L14~15)(P9上段L21~24)
*評者が、この作品は「男の子の微妙な心の動きの描写や会話、事実描写を丁寧に行っている点」がすばらしい、と書いているのだが、どこを指して言っているのか理解できない。
③「敬体」と「常体」が混ざったまま。指導をしてあげるべきだ。

『堤小学校に転入してきて良かった』(P39~41)
①「選評」に、「一年生から六年生までの長い間のことをまとめて書いています。」とある。
本当にそうだろうか?
・引っ越しをしたけれど1年生の終わりまで「中川小学校」に通うことになったこと.
・お別れの日のこと
・もらったビデオテープのこと
・二年生で堤小学校に転入。始業式のこと。
・二年生でもうひとり仲良くなった「七海さん」のこと
ここまででP39~41のほとんどを使っている。そして残りの11行ほどで次の二つが書かれているだけ。
・七海さんとの思い出のこと
・「中川小でいろいろな友達に会えて本当に幸せです。」という意見表明
②題に関連しているのは、終わりの方の11行のみ。中心がずれているのではないか。

『水泳』(P53~54)
①《楽しんで好きになっていけば、壁にぶつかっても乗り越えていくことができる。物事を前向きにとらえることで、どんな方向にも変えられる。だから、前向きな気持ちを持っていろいろなことに挑戦していこうと思う》というのが、この子の趣旨。
②すごく観念的な作文。悲観的な内容が最初ずっと続くのだが、とつぜん楽観的なことばが出てきて、上のような結論を出している。無理なこじつけをしている感じがする。
③「水泳」という題も、良くない。

『「剣の舞」の練習の成果』(P55)
①長く指揮の練習を続けてきて、本番当日、大成功をしたという内容。構成があまり整理されていない。
②最初の段落、意味不明な書きぶり。
③「つ、つ、ついに本番。」「うらポンのお母さん」(?)「終わった。大大大大大大成功した。」
という表現。

『手を挙げるのが好きになった。』(P56~57)
①何日間かにわたってあった出来事の中で、手を挙げることが好きになっていったことを書いている。六年生の作品の中では、一番まとまっているかなと思うが、「構成」についてもっときちんと指導してあげるといいなと感じた。
・ある日の放課後のこと。桜子ちゃんに、「何で、彩って手挙げないの?」と聞かれる。
・次の日、手を挙げられない理由を桜子ちゃんに話すと、「自信を持った方がいいよ。」と励まされる。
・次の日の算数の時間、手を挙げて答えを言うことができたこと。
・同じ日、家で姉と話す。姉からも、励ましを受ける。
・次の日も、発言できたこと。「私は、一日一回は手を挙げる!って決めた!」
 という最後のことばで終了。
*各段落がいつのことかをもっと明確にさせたい。最後の段落が、特にもったいない。最後のまとめを分けて、別の段落にしたほうがいい。
*あと、それぞれの段落、もっと「あったこと」を丁寧に思い出すといいなと感じる。
②ことばの使い方、変なところ(?)あり。
「誰も手を挙げなかったから、先生に指された。」(P57上段L8~9)

『BSE』(P57~58)
①出典は分からないが、一生懸命調べながら書いているのはいい。
②資料を充分にこなしきれないようで、調べた内容に関する部分など、常体になってしまっている。
③こういう文章は、何文?

◎詩
『今でも覚えている』(P85)
①題材はいいと思うが、無駄なことばが多い。
②「うん、あの時はありがとう。」なんて、こういう会話する?

『しかたないんだ』(P85)
①父親のことば遣いが悲しい。
②「おい!」は、何なんでしょう。
③最後の一行、ウソっぽくてイヤだな。これを書きたいための詩だったの?
④題が変。

『ランプシェード』(P86)
①5行目、意味が分からない。
②「うずうず」
・ある行動をしたくて、じっとしていられないさま。
例:「遊びに行きたくて、―している」
最後の行、「ご飯をうずうずしながら食べていた」は、変ではないか。

Ⅱ. いいなと感じた作品
《散文》
(1)『六年生とのドッジボール』(3年 P35)  
(2)『さくらんぼ』(4年 P36)     
(3)『竹の根っこのふしぎ』(3年 P66)
(4)『お豆腐やさん』(4年 P67)
(5)『雪の日の電車』(5年 P69)

《詩》
(1)『妹がねると…』(4年 P81)
(2)『読んでみろ』(5年 P84)

Ⅲ. 気になったこと 
(1)思ったこと(  )の使い方について気になったことがある。
①②などは、いいんじゃないかなと思う。
①わたしは、
(きた見小六年生は、体が大きい分、力があるのかな。)
と、思いました。  『六年生とのドッジボール』(3年 P35)
*この子は、英語で言えば、間接話法的な形で、思いを書いている部分がある。この書き方は、すごく大切な方法ではないかと思う。
→わたしは、六年生のてきせつなアドバイスがあったからだと思います。(P35下段L9~10)
②私は、
(去年も、もらったなあ。)
と思いました。   『さくらんぼ』(4年 P36)

気になったのは、③、④、⑤。何か違和感を覚える。人間は、こんなふうに内言をするだろうか?
③(ママもてれるときがあるんだな。こんな顔はじめて見た。
 おっかし~。)
と思いました。   『お母さんのこと』(3年 P19)
④私はいままで、
(ふーちゃんて変わってるな。ちょっといやだな。)
と思っていたけど、筆箱をきっかけに、
(ふーちゃんておもしろくて、やさしいな。こういう子と友達に
なりたいな。)
と思いはじめた。   『私の筆箱をきっかけに』(5年 P38~39)
⑤私は夜、
(人それぞれのいいところがあるんだな。いままで少しイヤだな
と思っていた子が私によく声をかけてくれたし。筆箱がなくなった
ことは悲しかったけど、みんなが自分のことのように気にかけてく
れたり、捜してくれたりするなんてすごくうれしいな。)
と思った。     『私の筆箱をきっかけに』(5年 P38~39)


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