『「私」の国分一太郎研究』は、国分一太郎の生きた時代とその思想の研究であると同時に、「私」自身の自己史でもある。

第543回 豊島作文の会 3月例会のご案内

第543回 豊島作文の会 3月例会のご案内

◆日 時   2020年 3月 1日(日)午後2時~5時
◆場 所   駒込地域文化創造館 第4会議室 
         東京都豊島区駒込2-2-21 
         TEL 03-3940-2400  
         

《提案予定》
 『東京の子』(第45集)~「散文・詩」の部を読み合う(第5回目)~
◆P56『ドキドキしたリレー』(4年)~P61『スピろう」の研究授業』(6年):
6作品 (日色さん)

◆日色さんの提案が終わったあとは、詩の作品をみんなで読み合う

*『東京の子』をお忘れなく!

◎2月例会報告
《 参加 》桐山久吉、神山典士、片桐弘子、工藤 哲(記録)、伊藤早苗、曽我侑加、榎本 豊(司会)、鈴木由紀、榎本典子(敬称略)

◆『東京の子』(第45集)~「散文」の部を読み合う(第4回目)~
提案(1)「田んぼの学校」~「学年が上がる」:    6作品(神山さん)
提案(2)「金賞」~「上ばきのわすれもの」:     6作品(片桐さん)
提案(3)「水中昆虫大りょうゲット」~「魚の図鑑」:  6作品(桐山さん)

★神山さん、片桐さん、桐山さん、お三方の分析をもとに、18の作品をみんなで読み合った。
★18の作品は、およそ次のように分類できる。
(1)「ある日、ある時のこと」を書いている(「ある日型・Ⅰ」の仲間)。
・「一りん車けんていのこと」、「書しゃ」、「学年が上がる」、「防災泊」、
「大はっ見」、「羽かするしゅんかんのてんとう虫」、「見つけにいったよつば」、「上ばきのわすれもの」、「水中昆虫大りょうゲット」、「雨上がりのラッキー」、「どこまでもつづくかべ」、「男坂は岩だらけ」など、12作品。
(2)長い間のことを書いている作品(田中さんが言っている「ある日型・Ⅱ」の作品と、はたして言っていいのかどうか、ちょっと疑問を感じながら)。
・「田んぼの学校」、「ふしぎな練習の力」、「私の新体操」の3作品。
(3)「いつも型・Ⅰ」の作品。
・「魚の図鑑」:1つ。
(4)どうもよく分からない
のが、「ミニノートの話」と「金賞」の2つ。
「ある日型」(Ⅰ・Ⅱ)、「いつも型」のどれに入れたらいいのか。頭が混乱、分からない。こういうあたりこそ、みなさんと話し合いたかった。

★題名のつけ方に関しての意見。
・「田んぼの学校」:タイトルがもったいない。田んぼの学校の何が一番書きたかったのか?「ミニノートの話」、「書しゃ」なども同様。
・「見つけにいったよつば」:よつばを見つけに行った→「見つからなかったけど、楽しくあそべてよかった」と、ちょっと中途半端で終わっているのが惜しい。「見つけにいったよつば」という題名、どうかなァ。「見つからなかったよつば」にして、見つける努力を書いた方が良くないだろうか。
・「水中昆虫大りょうゲット」:題がオーバー。題名の「ゲット」に象徴されるように「たくさん捕まえてうれしい」という内容。なんだか、自然に目を向けたといった作品とは感じられない書きぶり。これでは、連れていった父親もさびしいんでないかい。
・「雨上がりのラッキー」:「ラッキー」という言葉が気になる。どうして「雨上がりの虹」にならないのか。「雨上がり」とあるのに、雨のこと、雨が上がったことは書かれていない(母親の、「すごい雨かと思ったけど、晴れてよかったねえ。」という会話は書いてあるが)。題名とともに、中身の思い出し直しもしっかりさせてあげたい。
★「防災泊」について:1泊2日の防災泊での体験の中身を、一つ一つ具体的に書いてがんばっている(煙体験の箇所など詳しくていい!)のだが、内容がもりだくさん。書き尽くすのが大変、書くのがつらいだろうと思って読んだ。書く中身をもっと取捨選択して短くした方がいい。
★「私と新体操」についても、同様のことが言える。当人がすごくがんばって書いていることは分かるが……。あまりにもたくさんのことがらが書かれていて、「いつのことか」を読む側がつかみきれない。「ことがら」を選んで、日時、場所、経過をはっきりさせること、テーマをはっきりさせていくことが大事だろう。
★「ふしぎな練習の力」:くりかえし練習を続けて、さか上がりがやっとできるようになるまでのことが書かれている。練習の様子がいきいきと書けている場面もあるのだが、「いつのことか」がしっかり分けて書かれていないのが惜しい。「一年間で一番心に残っている」ことを書くというのは、3年生でもむずかしいのではないか。
★「羽かするしゅんかんのてんとう虫」:「羽かするしゅんかんの」と書いてあるが、どのように「羽化」が始まっているのか書かれていないのが残念だ。おそらく、サナギに何かの変化が起こり、「羽化」に向かい始めたということにこの子は気づいたのだろう。「これは、羽かするしゅんかんのてんとう虫だよ。」と「ねえね」に教えたと書いているが、どのようなことが始まっていたのか見たことが書けていると良かった。羽化にどのくらいの時間がかかるのだろう。サナギから羽化が始まり、羽化が完了するまでは大分時間がかかるのだろうが、そのスタートの一端に接する機会を、二人の姉弟が持つことができたのは素晴らしいことだと思う。「ねえね」が「羽かしていると中のてんとう虫が見れて、よかったじゃん。」と答えているのに対して、「ぼくも、羽かするしゅんかんを見たのは、はじめてなんだ。」と返しているのは、すごく微妙!
「しゅんかん」ではなく「と中」が正解かも知れない。
★サナギを見たり、羽化の様子を見たりなど、このような体験、とても貴重。こういう体験は大事にしたいものだと思う。
★今回、18作品中、12作品が「ある日、ある時のこと」を書いた作品だった(これはいい!)。基本の書き方なので、まずは、この書き方を推進していきたい。題名はこれでいいか、しっかり思い出して書いてあるか、書き足りないところはないかなど、子どもたちが見直していけるよう指導を深めていけるといいと思う。
★「どこまでもつづくかべ」と「男坂は岩だらけ」:桐山さん担当の箇所に、まったく偶然!登った山こそ違うけれど似たような行程をたどる内容の、山登りの作品が二つ続いて載っていた。一つ目の「どこまでもつづくかべ」は、神山さん指導の「三つの箱を使って書く」(簡単に、「神山方式」)実践から出てきたもの。もう一つの「男坂は岩だらけ」は、「ある日、ある時」の心に残ったことを時間の経過にそって書いていく「ある日型・Ⅰ」の作品。桐山さんの担当個所は、時間切れで十分な話し合いができずじまいだったが、この二つ、比べ読みをして、話し合いをしてみたら面白かったのではないかと思った。
(文責:工藤  哲)


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