『「私」の国分一太郎研究』は、国分一太郎の生きた時代とその思想の研究であると同時に、「私」自身の自己史でもある。

正確なデータと論理を!

正確なデータと論理を!

 2015(平成27)年1月9日(金)の東京新聞、夕刊。「大波小波」欄に、面白い記事が出ていた。
 
 『反知性主義に抗う』 という題。執筆者が「教養主義者」となっているのはナゼなのか、ちょっとよく分からないのだが、今の日本で言いたいことをしっかり言っていくためには、ここに書かれているような主張は大切にされなければならないのではないかと思われる。

 書かれていることをしっかり検証していくために、この文章も全文掲載しておく。

 日本の再軍備や核武装を主張しても、弱者の切り捨てを
唱えても、どんな思想信条を持っていても構わない。ただ、
それには正確なデータと説得力のある論理を示すことが前
提になる。2014年は、在日特権や中韓の脅威論、史料の裏
付けがない歴史解釈など、ファンタジーに基づいたファナ
ティックな愛国論や排外主義的なヘイトスピーチが吹き荒
れた年となった。

 その中にあって、荒唐無稽な陰謀論が、排外主義を助長
するメカニズムに迫った仁木稔のSF小説『ミーチャ・ベリ
ャーエフの子狐たち』、徹底した調査で、教育現場でも使
われている「江戸しぐさ」が、歴史的な根拠のない偽史で
あることを明らかにした原田実 『江戸しぐさの正体』な
ど、反知性主義の広まりに警鐘を鳴らす作品が増えてきた
のは、救いとなった。

 蘭学で身に付けたロジカルな思考を藩政に活かした実在
の古河藩家老・鷹見忠常(泉石)を描いた西條奈加の新作
『六花落々』(りっかふるふる・祥伝社)も、根拠も論理
性もない奇説が支持を集めている風潮に一石を投じている。
忠常は、学問も商売も芸術も政治をより良くしようと考え
続けることで発展するという。この言葉通り、今年が知性
と理性が照らす年になることを願ってやまない。
                 
                     (教養主義者)


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