『「私」の国分一太郎研究』は、国分一太郎の生きた時代とその思想の研究であると同時に、「私」自身の自己史でもある。

綴方理論研究会 5月例会案内と4月例会報告(2015年)

綴方理論研究会 5月例会案内と4月例会報告(2015年)

5月例会のご案内

日時 2015年5月30日(土)PM1時~5時

場所 駒場住区センター 目黒区駒場1-22-4
*京王井の頭線・駒場東大前下車。改札前12時45分に集合

◇講義 「とつおいつ74」(乙部武志さん)
◇提案 『「なにを、なぜ・はげましてやるか」(国分一太郎)』を読む
  *日色さんが提案の予定でしたが、当日、用事が入ってしまい、急きょ、みんなで読み合いながら論議を深めるということになりました。



4月例会報告

★報告:「とつおいつ73」(乙部武志さん)
 後藤健二さんの人質事件、高浜原発再稼働差し止め決定に対する政府の対応、自民党による報道機関事情聴取等々、いろいろと問題点の指摘がありました。4月17日、首相官邸で行われた安倍総理と翁長沖縄県知事の会談も話題に上ったのですが、改めてインターネットで調べ直してみて、(これだ!)と思いました。安倍首相が2分50秒語り、翁長知事が3分13秒語る、最後の「自ら土地を奪っておきながら…」のところで、報道機関が退出させられます。すごいのは、その後も、「非公開部分」なのに、翁長知事が語った言葉がちゃんと収録されているのです。さすが、「沖縄タイムズ」。二人の言葉、ぜひ、比べて読んでください。翁長知事の鬼気迫るような気迫。「民意」など全く意に介していない現政権の姿勢がはっきり見て取れます。(「安倍首相 翁長知事」で検索すると、出てきます。)


★報告:国語教科書から「生活文」がなくなった 更に、推敲について (小山 守さん)
 「国語教科書」から「生活文」がなくなったのはなぜか、13ページにも及ぶ資料、提案でした。「生活文」と「生活綴方」の違い、「生活文」が出てきた経緯などが話され、「生活綴方」の文章とは、ということで、榎本さんから、国分一太郎の『文章入門-おとなの生活綴方』(新評論・1958年)の紹介などありました。中山さんから「児童文集すみだ」の話が出て、一同唖然。去年まで題材が自由に選べていたのが、今年から<題材は教科書の内容に限る>となったとのこと。学習指導要領の縛り?教委の自粛?教科書から「生活文」がなくなることの結果が、自由に作文指導を実践していくことさえできなくなっていく、そんな危険性まで出てきているようです。早川さんの名司会ぶり。いい話し合いができました。(文責:工藤)


*2015年4月17日 午後 首相官邸で翁長沖縄県知事と安倍首相の会談が行われた。下は、「沖縄タイムズ」の電子版に掲載された記事である(2015年4月18日 07:00 普天間移設問題 普天間移設問題・辺野古新基地 政治 注目 首相と翁長知事会談)。さすが「沖縄タイムズ」。記録すべき記事(報道)なので、以下に引用し、残す。(工藤)


翁長知事・安倍首相会談全文(冒頭発言)

■安倍晋三首相(2分50秒)
 どうも。お久しぶりです。ようこそきょうは官邸においでいただき。きょうはせっかくの機会でございますから率直に意見交換をさせていただきたいと思います。

 私は沖縄というのはアジアのまさに玄関口であり、高い優位性と可能性があると思っています。その中において沖縄の振興、発展は日本にとって大変重要なことであり、まさに国家戦略としてさらにこれは進めていきたいと思っています。

 今進めています(那覇空港の)第2滑走路も含めまして、振興策をこれからも力強く進めていきたいと思っています。

 同時に戦後70年においてもまだ沖縄に米軍基地負担、大きな負担をお掛かけしているという状況がございます。その中において少しでも負担の軽減をお約束させていただきたいと思います。普天間(飛行場)の一日も早い危険性の除去、撤去はこれはわれわれも沖縄も、思いは同じであろうと考えています。

 その中においてわれわれといたしても一歩でも二歩でも進めていかなければならないという中におきましては、辺野古への移転が唯一の解決策であると考えているところでございまして、これからもわれわれ政府が丁寧なご説明をさせていただきながら、ご理解を得るべく努力を続けていきたいというふうに思います。

 同時に嘉手納(基地)以南の返還もスタートしている状況でございますが、こうした米軍施設、土地の沖縄への返還を順調に進めながら沖縄の発展に生かしていきたい、こう考えている状況であります。

 本日は沖縄の皆さまのまさに思いを代表していただきまして、知事から率直なお話も伺いながら沖縄の未来をつくっていく上においても、政府としても一緒に歩みを進めていきたいと思いますのでどうぞよろしくお願いします。

■翁長雄志知事(3分13秒)
 あらためましてこんにちは。昨年12月に沖縄の知事に就任しました翁長です。よろしくお願いします。安倍内閣総理大臣におかれまして本当にご多忙の中ですね、お時間を頂戴いたしまして心から感謝を申し上げます。

 また冒頭では、沖縄の経済、あるいは将来の可能性というのにも触れていただいた。アジアのダイナミズムが沖縄に本当に大いに来ていて、日本のフロントランナーとして、経済というものを頑張っていこうという状況の中で、基地問題というのが非常に大きな課題となっていますので、きょうは普天間基地の辺野古への移設を中心にですね、お話しさせていただきたい。

 総理も官房長官も16年前、当時の稲嶺(恵一)知事、地元名護市長も辺野古基地を受け入れたとおっしゃっていますけれども、しかしながら稲嶺知事は代替施設は軍民共用施設として、そして米軍による施設の使用については15年の期限を設けることを条件として受け入れを認めたわけです。

 それから岸本(建男)名護市長は日米地位協定の改善、それから施設の使用期限、それから基地使用協定等の前提条件が満たされなければ容認は撤回すると言っておりました。

 当時の政府は平成11(1999)年12月、稲嶺知事と岸本市長はこれを重く受け止め、米国政府と話し合う旨、閣議決定を認めました。しかし、その閣議決定は平成18(2006)年に沖縄県と十分な協議がないまま廃止されました。

 従って16年前に知事や市長が受け入れを決めたというのは前提条件がなくなったことで、受け入れたというのは私たちとしては間違えだというふうに思っています。

 そして政府は今、普天間飛行場の県外移設という公約を、失礼な言い方かも知れませんが、かなぐり捨てた前知事が、埋め立てを承認したことを錦の御旗として、辺野古移設を進めておられますが、昨年の名護市長選挙、沖縄県知事選挙、衆議院選挙は前知事の埋め立て承認が争点でありました。

 全ての選挙で辺野古新基地反対という圧倒的な民意が示されたわけであります。沖縄は自ら基地を提供したことは一度もございません。普天間飛行場もそれ以外の基地も戦後県民が(捕虜)収容所に収容されている間に、(土地が)接収された。または居住場所をはじめ銃剣とブルドーザーで強制接収され、基地造りがなされたわけであります。

 自ら土地を奪っておきながら老朽化したから、世界一危険だから沖縄が負担しなさい。嫌なら代替案を出せと言われる。こんな理不尽なことはないと思います。

(はい、報道は退室-と官邸スタッフが打ち切る)

■非公開部分

 翁長雄志知事 安倍総理が2度目の政権を担ったとき「日本を取り戻す」という言葉がありました。私はとっさにそこに沖縄が入っているのだろうかと思いました。戦後レジームからの脱却ともおっしゃってましたが、沖縄に関しては戦後レジームの死守をしているかのようであります。

 安倍総理にお聞きしたいと思います。ラムズフェルド米国防長官が12年前、普天間基地は世界一危険な基地だと発言し、菅官房長官も普天間の危険性除去のために辺野古が唯一の解決策とおっしゃっております。辺野古基地ができない場合、本当に普天間基地は固定化されるのかお聞かせ願いたいと思います。

 普天間飛行場の5年以内の運用停止について、仲井真弘多知事は県民に対し「一国の総理および官房長官を含めて政府としっかりやるとおっしゃっている。それが最高の担保である」と説明していました。

 5年以内の運用停止は、きょうまでの状況を見ますと、辺野古埋め立て承認というハードルを越えるための空手形ではないかと危惧しているところです。総理ご自身から5年以内運用停止を約束できるかお聞きしたいと思います。

 私は沖縄にある米軍基地や米国政府の責任者から、辺野古の問題は日本の国内問題だとよく言われます。

 われわれ県民から見たら、米軍基地の運用について日本政府がほとんど口を挟めないことをよく知っていますから、辺野古の問題についても、県民からは実感として、県民と米軍、県民とアメリカ政府との問題だとも思えます。

 ですから、私も近いうち訪米をして県民の思いを米国政府、シンクタンク等さまざまな方々に訴えようと思っています。

 このまま政府が地元県民の理解を得ることなしに辺野古埋め立てを強行するようであれば、私は絶対に辺野古への新基地を造らせないということを改めて申しあげたいと思います。

 安倍総理には、かたくなな固定観念に縛られず、まずは辺野古への移設作業を中止することを決断され、沖縄の基地固定化の解決・促進が図られることを期待しております。訪米した際には、オバマ大統領へ沖縄県知事はじめ、県民は、辺野古移設計画に明確に反対しているということを伝えていただきたい。よろしくお願いします。


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